資料NO. :  9-03-01-A
資料名  : 
        ちば・いちはら緊急巻頭('03年3月20日アメリカのイラク攻撃に抗議して)

      傲慢な単独行動主義のアメリカは
        民衆を大量殺戮する理不尽なイラク攻撃を今すぐやめろ!!!


       アメリカの戦争に追従しかできない小泉は今すぐ辞めなさい!!!           
制作者  : H.M.さん.(ちば・いちはら連絡会)
制作日  : 2003/3/20
 今年は3.10東京大空襲から58年目である。3月9日被災の中心地である墨田区の公民館で被災体験者の話を聞いた。

 1945年3月以前は米国の空襲も軍事施設に限られ、東京下町の民衆も未だ自分たちの生活に明日があると信じていた。しかし、1945年3月10日午前零時過ぎ米軍B29=300機が何波にもわかれて民衆の生活地域である東京下町に超低空で侵入して、彼らの信じていたものを無慙に砕いた。先ず下町の外郭線に大型の焼夷弾を投下して火の壁を作り、逃げられないようにしておいて、その内側の暗い部分(燃えていない部分)めがけて小型焼夷弾を無数に落し全体を火の海に包んでしまったのである。わずか2時間で11万5千人以上もの犠牲者を出した。(しかも、その大半は19歳以下の子ども、女性、老人だったという。) 広島、長崎の原爆による犠牲と同じ位の死亡率である。この間の阿鼻叫喚、この世の地獄を見た体験者のみなさんの語った詳細はここでは省くが、米国の作戦の目的は、民衆の戦意をくじくためのものであったという。(国際法違反の行為である)
 この度のイラク攻撃でも小型核兵器に匹敵する兵器(MOAB)や3000発ものミサイルを2日間で打ち込み、兵士や民衆を震え上がらせて戦意を失わせようとする作戦はまさに今行われようとしている。58年前のやり方と少しも変わっていないのである。50万人の命は風前の灯である。(東京大空襲の)体験者の一人は「民衆にこのように膨大な犠牲者が出る戦争は絶対許せない」と語った。

 イラクの人口構成は子どもがその半分を占める。そこへの軍事攻撃で50万人もの膨大な犠牲者が出るという意味を考えるだけでも恐ろしいことである。そして、更に200万人に上る難民が出るという。何があろうとこの一点だけでこんな戦争は絶対に、絶対にやってはいけないのである。2月15日世界の民衆はこのことに強く反対し、その思いが一つに繋がって全世界を一周した。そして今もこの空前の民衆の思いの繋がりは更にさらに太く、強くなっている。

 安保理では昨年11月に全会一致決議された1441号決議の後、米・英は査察の切り上げる案を提出した。日本は世界の民衆が注視する中でアメリカのお先棒を担ぎ、米国と共に経済的には苦しい安保理中間六カ国に札束をちらつかせながら賛成を迫ったのであるが見事にそれは蹴られてしまったのである。人はパンのみに生きるのではない。このように札束で人の顔を張るような恥知らずの行為はこの国に住む民衆の一人として恥ずかしい限りである。

 米国はこのため安保理決議678、687、1441号をもって武力行使は可能として武力行使に入ったが、アナン事務総長や国際法の専門家そして国際社会はこぞってアメリカの行為は国際法違反と明言をしている。にもかかわらず我等が「小泉センセイ」は「一連の国連決議において武力行使の根拠になりうると理解している」と、またしてもお先棒担ぎである。何故こうまで卑屈になるのであろうか。あまりに自虐的である。

 この国際世論、国際法を無視した強引な武力行使の背景には、冷戦後唯一の超大国になった米国が9.11後「テロ国家に対しては先制攻撃をも辞さない」との傲慢なまでの力の信奉・単独行動主義がある。「単独行動も辞さない意志こそが集団的な行動へと繋がる効果的な道」(ウオルフォウイッツ国防副長官)、「同意作りに絶えず汗を流す同盟よりも、米国が任務を決め、問題ごとに組む相手を変える便宜的な連合の時代だ」(スタインバーグ元大統領補佐官)の発言にその現われを見ることができる。

 米国のこのやり方は国際社会が第2次世界大戦後曲がりなりにも、多国間の協調で「法の支配」を広げようとしてきた努力を水泡に帰させる重大な危険性を含んでいる。また、武力で大量破壊兵器を廃棄させようとすれば返ってこれを拡散してしまい、査察で行う場合より廃棄が徹底しないと指摘する研究者もいる。そして、なにより力づくでの対応は米国への反感をあおり、ますますテロリストを増やしてしまうことになり、比較的容易に作ることができる大量破壊兵器である生物・化学兵器を拡散させてしまうことになろう。日本もこのような米国にただただ追従する姿勢をとってゆくならば当然テロの標的になるだろう。テロの準備には2、3年かかるという。すでに準備にかかっているかもしれない。米国のこの様な戦争に追従するだけの有事法制は安全保障になるとはとても言えない所以である。
 日本には憲法がある。9条がある。教育基本法がある。これを世界に広める努力こそが真の安全保障なのである。 

掲載:2003/04/01